コラム

第2回 【顧客との絆を守るセキュリティとは】個人情報保護の不備で関係を壊す前に“顧客とのつながり”を大切にする仕組みを

  • 2019年4月1日
  • ドコモ・システムズ株式会社

エンゲージメントの基礎となる顧客情報は安全か?

製品やサービスを提供する企業にとって、顧客との関係性や信頼性の確保はビジネスの展開や継続に欠かせない。 心地よい製品やサービスを提供し、顧客が安心して購入や利用ができる価値が得られることは、ご贔屓(ひいき)にしてもらうために必要不可欠な条件だ。

こうした顧客と企業の関係性をマーケティング用語では「エンゲージメント」と呼び、昨今は盛んにエンゲージメントを深めることの重要性がうたわれる。 そして企業はエンゲージメントを深めるだけでなく、継続したエンゲージメントを確保するためのマーケティング活動である「リテンション」によって顧客をつなぎとめる。 そうした総合的な施策により、顧客が企業と取引を継続している期間に得られる利益である「LTV」(Life Time Value:顧客生涯価値)を高めることを目指す。

エンゲージメントを深めるためには、顧客のことを知らなければならない。 古くから、街の人気の商店では店主の頭脳データベースにお客さま情報がビッチリと書き込まれていた。 家族構成から前回の購入商品、好みなどのデータから、何気ない会話を紡ぎ出してお得意さんとしてつなぎとめていたわけだ。

現代では、こうした頭脳データベースに変わり、顧客情報をデジタルデータとして取り扱うことができる。 従業員間でデータの共有もできるし、顧客の数が多くても忘れたりしない。すなわち、エンゲージメントを深めるための根幹となるのが、顧客情報のデータなのである。

そのため、企業は顧客の個人情報を収集し、販促やマーケティング活動に役立てている。では、あなたが経営者だったとして、あなたの会社の個人情報は、確実に守られていると自信を持って言えるだろうか。 情報システム部門やシステム担当者に尋ねると、「きちんとやっています」と答えるものの、任せておくだけで大丈夫なのか。 経営者自身が売上や利益を最大の課題と捉え、セキュリティ対策を後回しに考える場合もある。

触れ合いの時間が長い業種ほど、顧客情報保護は最重要課題

「お客さまの情報がすべて流出するなんてことが起きるわけはないだろう」「万が一どなたかの個人情報が流出しても、そのお客さまとのご縁が切れるだけだろう」 「大企業ではないから、報道されたりSNSで炎上したりすることもないだろう」。 このような「だろう」の楼閣の上に顧客情報の保護が乗っていたら、どんなリスクが待っているか想像してみてほしい。

マーケティングの大家である米ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院SCジョンソン特別教授のフィリップ・コトラー氏は、 SNS、ビッグデータ、AI、IoTが絡み合うデジタル時代のカスタマージャーニーにおける新しい概念として「5Aモデル」を提案した。 このモデルで最後を飾る重要な要素が「Advocate(推奨)」である。この段階では顧客がお気に入りのブランドや会社に対して強いロイヤルティ(愛着心)を持ち、 他者に奨める気持ちがある。ECサイトやグルメサイトの好意的なレビュー/評価は、そうした気持ちの現われだ。

このようにオフラインとオンラインの垣根が薄まる一方、オフラインで顧客との接触時間が長いサービスを提供する業種では、顧客満足度はサービスそのものだけでなくスタッフが応対する会話にも多く関係する。 適切な会話を提供することで、顧客は心を開いてくれるのだ。そのためには、顧客情報の活用が必須用件となる。


顧客があなたの企業の"ファン"になれば、相当な信頼関係が構築されている証だ

顧客との接触時間が長く、深い顧客情報を持っている業態とはどのようなものだろうか。 例えば、エステサロン、ネイルサロン、美容室などは、施術の間の会話を楽しむことで、顧客はリラックスして高い満足度を得て帰る。 スポーツジムなどでは、身体の情報やトレーニングの状況といったデータの継続が、訓練を成功に導く。 不動産業者、結婚式場なども、顧客の詳細な個人情報を持ちながら、好みにフィットした提案をすることで満足度を高める業種だろう。

特に全国展開をしているチェーンのサービスでは、転居しても同じブランドのサロンやジムに顔を出せば、継続して高いホスピタリティを受けられるといった期待がある。 顧客情報は、深いエンゲージメントを得るための根幹になるデータなのだ。

こうしたサービスでは、あくまで顧客情報をデータとして活用したやり取りであっても、 「○○サロンは私のことをよく覚えていてくれる」「担当の△□さんが良くしてくれるから通う」といった意識が高くなる。 関係性、信頼性が強くなり、エンゲージメントが深まっている状態だ。 そうした企業から、守秘義務がある個人情報が流出したといったニュースが飛び込んできたら、安心して信頼している顧客はどう感じるか――。

積み上げてきたエンゲージメントが突然途切れるセキュリティ事故

顧客との接触が長い業種では、顧客情報として住所、氏名といったデータに加えて、エステサロンならば施術の情報、スポーツジムならば身体の各所の数値など、極めてデリケートなデータを保管している。 こうした情報は、顧客にとってみれば「恥ずかしい情報」である可能性が高い。 スリーサイズや身体の特徴を示す数値などは、外部に公表されたくない情報の最たるものだろう。

もしもそこでセキュリティ事故が起こって個人情報が流出したら……顧客感情は一気に逆ブレする危険性が高い。大げさではなく、ここまで育んだ顧客との蜜月関係を一気に吹き飛ばしてしまう。

対岸の火事と思われるかもしれないが、サイバー攻撃の手法は年々巧妙化し、標的型攻撃メール、ランサムウエアによるシステム停止、知らぬ間のWeb改ざんなど悪質になる一方だ。 これまではコンピューター経由だった攻撃が、IoT機器を踏み台にするケースも増えてきた。ボットネットの攻撃は、2016年には前年の1960万件から6.4倍の1億2600万件に拡大。 もはやどこからマルウエアが侵入するか予測もつかない。


サイバー攻撃は年々多様化し、常に脅威はそこにある。要所要所で対策は必須だ

記のような脅威にさらされ、情報が流出してしまったと仮定しよう。 「○○会社だから」「△□さんが担当だから」ということで贔屓にしていた顧客は、その企業からの情報漏えいのトラブルを耳にしたときに、自分の秘めた情報が流出したリスクを脅威に感じる。 それは、コツコツと築いてきたエンゲージメントが途切れることにつながるだけではない。 顧客は、深く信頼していただけに裏切られた印象を持つ。規模としては大きなセキュリティ事故でなかったとしても、SNSや口コミで一気に広まることも考えられる。 セキュリティ事故が、企業の顧客基盤を崩壊させることもあり得るのだ。

鉄壁の顧客情報保護を自社のスケールに合わせてすぐに始められる

さらに個人情報保護法の改正により、従来の法律では対象外だった5000人分以下の個人情報を取り扱う小規模な事業者も、個人情報保護法の対象になったという変化も企業に追い打ちをかける。 昔から顧客情報を取り扱っていた中小企業などで、個人情報保護法は大企業の話と高をくくっていたら、改正法によって情報保護が自分たちの問題として直面せざるを得なくなるケースもある。

個人情報の保護やセキュリティ対策の実施は、何かがあって顧客が離れてしまってからでは遅い。 頭ではわかっているけれど、実際にどのように行動したらいいかわからない。情報システム担当者が経営陣に問い合わせても、「儲からないなら後回し」と言われてしまう。 対応しようにも、一人情シスで手が回らず、かといって人手は増やしてもらえない。さあ、どうしたら良いだろうか。

1つの選択肢として考えられるのが、既に実績のある強固なセキュリティソリューションの導入だ。 例えばドコモ・システムズが提供する「dDREAMS」は、NTTやNTTドコモが利用するシステムとして生まれた次世代のセキュリティサービスである。

マルウエアなどの侵入を防ぐ入口対策、情報漏えいを防ぐ出口対策、万一の情報流出時にも問題を大きくしない堅固なデータ暗号化ソリューションなど、多方面からセキュリティを確保するためのツールを用意する。 それだけに、個人情報を安全に運用するためのソリューションも、必要なツールを組み合わせて適切に構築することができる。


dDREAMSが提供するセキュリティ

「NTTドコモが導入してるなんて、コストがかかって中小企業にはとてもとても」という声も聞こえてきそうだ。 しかし、まず専門家の目で現状を把握し、アドバイスが受けられる「無料診断」が利用できる。

また、予算や求められるセキュリティ対策にレベルに応じて、数多く用意するツールを組み合わせた適切なコストのソリューションの提案、提供が可能なことも、 総合的なソリューションを手がけるドコモ・システムズの強みとなる。

顧客とのエンゲージメントを失うことなく、さらなるリテンションを成功に導くために個人情報を鉄壁の手段で守り抜くのは、もはや"マナー"とも言える時代。 今こそ一刻も早く専門家の診断を仰ぎ、セキュリティ対策に着手することをおすすめする。

※この記事は、日経xTECH Activeに掲載された記事を再構成したものです。

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