コラム

第1回 【働き方改革を推進するNTTドコモ】テレワーク利用者が1年間で5倍に急増した理由とは?

  • 2019年2月27日
  • ドコモ・システムズ株式会社

働き方改革の展開と施策

NTTドコモで働き方改革に関する施策を推進するのは、人事部内に設置されたダイバーシティ推進室だ。発足は2006年。 まだ世間に「ダイバーシティ」という言葉が浸透する以前から、同社の取り組みは始まっていたことになる。 発足当初の同室では女性活躍推進がメインテーマだったと、ダイバーシティ推進室 室長の野沢千晶氏は語る。


株式会社NTTドコモ ダイバーシティ推進室 室長 野沢 千晶 氏

「当社はインフラ企業という特性から、比率としては男性中心の会社です。 女性社員比率は現在でもようやく20%程度。当時はその数がもっと少なかったうえ、女性管理職は2.5%程度にとどまっていました」

女性活躍推進というテーマを設定したとき、仕事と育児の両立や長時間労働是正など、働き方に視点が置かれるのは自然の流れ。 同社の働き方改革はそこに端を発し、育児だけでなく介護との両立、さらには男性社員の育児休暇取得など、制度の拡充に努めてきた。

育児・介護と仕事の両立という観点に、同社がモバイルコミュニケーションをリードする企業であることを掛け合わせれば、テレワークが注目されるのも当然のことだろう。 実は同社では2000年頃からテレワークをスタートしている。 2000年といえばスマートフォンが登場する以前だが、すでにフィーチャーフォンでメールやスケジューラーの利用や、決裁・承認などができるツールは整っていた。 そうした環境整備をベースに、在宅勤務制度も2010年に導入している。

ところが、制度を始めてもなかなか普及しなかったという。野沢氏は言う。 「在宅勤務制度の本格導入にさきがけ、トライアルとして育児をしている女性社員にまず試してもらったのですが、あとで振り返るとそれが失敗だったのかもしれません」

なかなか増えないテレワーク利用者「まずは体験」を促進し普及が進む

トライアルの結果、在宅勤務制度は働き方を実効的に変えられるツールだという認識を得て、今度は全社員を対象として本格導入に踏み切った。 しかし社員のほとんどの意識に、在宅勤務制度は育児をしている社員でなければ使えないものだという先入観が植え付けられてしまったのだ。 その結果、制度を始めて3年が過ぎた2013年度でも、年間の利用者数はわずか42人にとどまった。 2015年度には制度利用を促進するキャンペーンを実施したものの、それでも利用者は伸び悩んだ。

ただ、この頃から世間でも働き方改革が言われ始めるようになる。 同室でも「在宅勤務制度の趣旨は育児や介護だけでなく、社員全員が働き方を変えていくためのものだということを伝えていかなければ、と気づいたのです」(野沢氏)。 2016年度、在宅勤務とテレワーク促進に向けた社長のトップメッセージを動画で発信。 さらには社内で任意のメンバーを募り、働き方改革の視点から在宅勤務制度を推進していくワーキンググループを立ち上げた。 その一環として、まずは何より社員に体験してもらおうと、2016年夏に「在宅勤務体験週間」、翌年1月に「在宅勤務体験月間」を実施したところ、利用者が急激に増え、2016年度の年間利用者は1000人に迫る勢いとなった。

「テレワーク・デイズ」参加で5000人以上が在宅勤務制度を利用

「このときに実施したアンケートでは、在宅勤務とテレワークで生産性が上がったという声が多く集まったんです。 業務効率の面でもオフィスで仕事をしているときと変わらなかったという肯定評価が主流で、実際に多くの社員が満足できたのだと判断しました。 また、ワークライフバランスの向上につながった、通勤時間を趣味などほかのことに充てられた、病院に通う時間に使えたといった声も数多く集まりました」

そう語るのは、同室 主査の築﨑真理氏。同室ではこの結果に自信を深め、2017年度にもキャンペーンを実施した。 このときは、在宅勤務制度は育児や介護中でなくても使える制度であることを一層強くアピール。 そのほか前回のキャンペーン期間で得られた体験者の声をまとめた資料や、在宅勤務制度の申請方法を解説する動画を制作し、社員への訴求に努めたという。


株式会社NTTドコモ ダイバーシティ推進室 主査 築﨑 真理 氏

2017年7月24日には政府主導の働き方改革促進に向けた国民運動「テレワーク・デイ」に会社として参加。 その結果、2017年度の在宅勤務制度利用者数は約3400人に達した。さらに2018年はこれを拡張した5日間の「テレワーク・デイズ」にも参加した。 期間中は組織長が集まる事業執行会議を、Web 会議を通じてテレワークで行うなど、積極的に仕掛けた結果、この5日間で4400人が制度を利用するという実績を残した。 「テレワーク・デイズ」と連動する形で、前後の3カ月に同社ではテレワーク推進のキャンペーンも実施。 会社としてはもともと全社員の8割に在宅勤務制度を利用してもらうという目標を立てていたが、2018年度上期で7割の約5300人に到達した。 「8割の達成も近いかもしれない」と、同室では手応えを感じている。

仮想デスクトップサービス「s-WorkSquare」

働き方改革の実現には、場所を問わないワークスタイルを実現するテレワークの推進が必須といえる。 PCやモバイル端末から、“いつでも、どこでも、オフィスと変わらない環境を利用できる”のが、ドコモ・システムズが提供するクラウド型仮想デスクトップサービス「s-WorkSquare」だ。 本文で紹介したNTTドコモも仮想デスクトップの導入により、仕事の生産性に加えてワークライフバランスの向上まで実現。 ドコモグループ自らが仮想デスクトップを活用し、働き方改革を実践することで、そこで蓄積したテクノロジーやノウハウを「s-WorkSquare」というサービスに集約して提供しているというわけだ。 そもそもモバイル端末でデータを持ち出すとセキュリティ面の不安を感じるだろう。 しかし仮想デスクトップなら端末側にデータが残らず端末を紛失・盗難したときも情報漏洩の心配はないため、BYOD(私物端末の業務利用)も安心して実現できる。 専門知識がなくても、48,000台の仮想デスクトップ構築実績を持つドコモ・システムズがサービスの提案から運用までワンストップで提供する点も大きな安心材料といえよう。


「s-WorkSquare」活用イメージ

仮想デスクトップなどのICT改革で場所にとらわれない働き方を実現

テレワークを円滑に、かつセキュアに行うには、ICT 環境の整備も重要だ。 現状、すでにスマートフォンやタブレットを社員が利用しているのはもちろん、Web 会議も活用されている。 また、オフィスにいるときと同じように仕事ができる仮想デスクトップも2015年から導入しており、環境整備は着実に進んでいる。 そのうえで、野沢氏はテレワークの未来を見据えて期待を語る。「オフィスで仕事をしていると、近くにいる社員に声をかけたり、オフィス内の様子を見て動いたりすることができます。 そういった“オフィス内の雰囲気”を、テレワークでもバーチャルに感じられる環境をICT の力でつくることができたら、テレワークはもっと浸透し、働き方改革も進んでいくと思いますね」 同室では2018年末、働き方改革を一層推進するため、組織ごとのテレワーク利用率に加え、男性の育児休暇取得率や社員意識調査から得られた働きやすさ指数などを社内で公表。 各組織それぞれで働き方のプランを模索してもらうという施策をスタートした。狙いは社員の意識醸成だ。野沢氏はこう締めくくる。 「これまでは在宅勤務・テレワークをまずは一度体験してもらうことに重点を置いていました。すでに全社員の7割が体験したいま、今後は社員それぞれに、働き方改革の意義は何か、自分にとってベストの働き方は何かを模索してもらうフェーズに入っていくでしょう。 そこへ向かってダイバーシティ推進室も施策を展開していきますし、仮想デスクトップをはじめとするICTソリューションのさらなるサポートにも期待したいです」 今後もNTTドコモでは、ICT 改革を通して、場所を問わない働き方のさらなる追求や、ワークライフバランスのより一層の充実をはかっていく。

※掲載している情報は、取材時点(2018年12月28日)のものです。

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