台風15号から考えるBCPとVDI(デスクトップ仮想化)│クラウド型仮想デスクトップサービス(DaaS)

仮想デスクトップコラム

  • テレワーク

  • 2020.02.03

台風15号から考えるBCPとVDI(デスクトップ仮想化)

これまでBCP対策といえば、業務環境の基盤となるシステムの安定性が重要視されてきました。しかし、2019年の台風15号で関東では多くの交通機関が停止したことにより、企業にとっては「システムはもちろん、社員が安全に業務を行える環境を確保して、いかにビジネスを継続するか」に対する課題に直面した方々は多いことでしょう。その解決策として注目されている仮想デスクトップ(VDI)の有効性を紹介します。

台風15号により生まれたBCPの新たな課題

台風15号は2019年9月に発生し、首都圏を中心に大きな被害を出した、いまだ記憶に新しい台風です。関東への上陸は9月9日。停電、断水、倒木などの被害が広がり、多くの交通機関が停止し、出社のための電車待ちのビジネスパーソンを含む駅前の長蛇の列と混雑がニュースで報道されました。

関東圏の鉄道各社は、台風が接近する前日の8日には始発電車を遅らせるなどの計画運休を発表。しかし、午前8時ごろからの運転再開と告知されていたにもかかわらず、大幅にずれ込み、入場規制が敷かれるなど通勤の足に大きな影響を与え、多くのビジネスパーソンが「出社できない」「帰宅できない」という状況に陥りました。この台風15号によって、このようなリスクがより現実劇で身近なケースであるという現実を突きつけられ、そのための対策が必須であることを再認識させられたのです。

従来、日本の企業では、出社して業務を行うことが前提となっていました。そのため、交通機関が停止した場合は、JRが使えなければ私鉄やバスを利用するといった振替輸送で、何とか出社しようとしていました。

しかし、下記の写真のように駅で長蛇の列ができるような状況を考えると、無理に出社することで、社員は「何時間も電車を待たされた挙句、満員電車に閉じ込められて、オフィスに着くころには疲れて仕事にならない」といった状況になります。さらにマネージャーの立場でも「社員の状況が把握できない、その日に予定していた業務対応も行えない」という状況になってしまうのです。ニュース、新聞などでも、「災害時の通勤は時間の浪費」という意見も見受けられました。


台風15号 電車の運転開始を待ちJR渋谷駅の改札前に集まる人たち

出社することなくビジネスを継続できる環境が必要

ドコモグループでは、これまでテレワークや在宅勤務を推進していくために、仮想デスクトップなどの「ITツール」と「社内ルール」の両面で整備を行ってきました。台風15号の当日も、いち早くマネージャーから各社員へチャットを通して、「安全を第一に考え、自宅や近隣のシェアオフィスなど適切な場所で業務を行うこと」という指示が入りました。それにより、交通機関が停止しても、通常の勤務開始時間には、各社員が自宅・シェアオフィスで勤務スタートすることができたのです。

これまでのBCPは、ビジネスの基盤となる業務システムをストップさせないことを中心に考えられがちでした。しかし、今回のようにシステムに問題がなくても、従業員が出社しなければ業務を継続することはできません。そのため、「社員が安全な場所でビジネスを継続できる環境づくり」が求められているのです。

災害時でも出社しようとするのは日本人ならではの勤勉性の表れといえるでしょう。しかし、数時間もかけて出社して、疲れ果てた社員は、通常どおりの生産性で業務をこなすことが難しい状態です。そのため、在宅や近隣のシェアオフィスなどで業務を行うことができる環境づくりが必要といえます。


BCP体制強化に役立つVDI(仮想デスクトップ)

在宅勤務など、社員が状況に応じて安全な場所を選んで作業できるツールとして、さまざまなコミュニケーションツールや情報共有ツールがありますが、上記でご紹介したようにドコモグループで主に活用しているのは「仮想デスクトップ」です。

仮想デスクトップとは、データセンターのサーバーに仮想的なデスクトップ環境を構築して、手元のデバイスからアクセスする仕組みのことです。

このため、サーバーにアクセスできるデバイスとネットワーク環境さえあれば、場所を問わずにアクセスが可能で、オフィスと同じようにさまざまな業務システムを利用することができ、自宅でも通常通りオフィス業務を行うことができます。

私物のスマートフォンやノートパソコンからでも業務を行うことができるため、突発的に出社が困難な状況となって、業務用のPCが手元になくても業務ができるため、BCP対策として有効活用できるでしょう。

平常時の取り組みから考えるテレワーク

もちろん仮想デスクトップだけで、あらゆるオフィス業務をカバーすることは不可能です。しかし、チャットツールやWeb会議などのコミュニケーションツールを併用しながら平常時から活用していくことで、有事の際でも柔軟にテレワークを実施し業務継続を実現できるでしょう。

日本は自然災害大国ですから、地震、台風、大雨などで業務が停止するリスクがあります。たとえ被災してもビジネスの停滞を最小限に抑えられるよう、BCPを整備することが重要です。その一環として、時間や場所、業務デバイスを選ばずに業務を行える仮想デスクトップやコミュニケーションツールの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。