テレワーク導入の要点を一挙解説!始めるまでの流れとメリット・デメリット・注意点を解説

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  • テレワーク

  • 2021.06.15

テレワーク導入の要点を一挙解説!始めるまでの流れとメリット・デメリット・注意点を解説

急いでテレワークを導入したものの改めて見直したい。

テレワークを導入したいがどこから手をつけていいのか。

導入する上でテレワークのメリット・デメリットを確認したい。


今回の記事では、テレワークの実施を検討している方のために、導入に向けて準備しておくことや導入の手順についてご紹介します。


新型コロナウイルスの流行により、改めて注目されたテレワークは多くの企業で導入が進みました。


一方で、まだテレワークに興味はあっても、実施には至ってない企業もあります。


テレワークは実施してみないと見えにくい部分も多く、どこから始めたらいいのか、どういうリスクがあるのか、導入前の懸念をなくすためにどういう準備をしたらいいのか、などわからないことが多いのではないでしょうか。


本記事では、テレワークの導入を進めるために必要な事項や導入までの手順を解説していきます。

テレワークの導入状況

まずは、テレワークの導入状況について確認していきましょう。現在、企業のテレワーク導入率はどれくらいなのでしょうか。

2021年2月の東京都の調査によると、従業員30人以上の都内企業のテレワーク導入率は63.5%に上り、1月前半の調査時の結果57.1%に比べて6.4ポイントの上昇を見せており、過去最高の導入率を更新しました。

総務省の調査によると、2018年の導入率は13.9%、2019年の導入率は19.1%だったので、新型コロナウイルスの流行によりテレワークを導入する企業が大きく増えたことがわかります。

また従来まではテレワークを導入する企業は、働き方改革の文脈から始めた大企業が主でしたが、近年では会社の規模を問わず、多くの企業がテレワークの導入を進めています。

参考:テレワーク導入率調査結果(1594報)・東京都

テレワークの導入を行う目的

次に、テレワークの導入を行う目的について確認していきましょう。

近年多くの企業が導入を進めているテレワークですが、その目的としてはどのようなものがあるのでしょうか。

ここでは、テレワークの導入を行うにあたって多くの企業で挙げられる目的をご紹介します。

ニューノーマルで通用する仕事環境作り

テレワークの導入目的の1つ目は、ニューノーマルで通用する仕事環境作りです。

新型コロナウイルスによって安定的に出社することが難しくなった現在、これまでとは働き方を大きく変える必要が出てきました。

3つの密(密閉・密集・密接)を避けることやソーシャルディスタンスを保つことなど「ニューノーマル」と呼ばれる環境下でも継続的に業務遂行ができる働き方が求められるようになりました。

ニューノーマル以前からテレワークを実施する企業はありましたが、これまでは「出勤を前提としたテレワーク」でした。しかしニューノーマル下では、「完全に出勤をしないテレワーク」へとシフトしています。

これに伴い、近年では業務の進め方や労務管理、セキュリティ対策など、新しい時代に合わせたフォーマットへ移行する動きが急速に進んでいます。

コスト削減

テレワークの導入目的の2つ目は、コスト削減です。

新型コロナウイルス感染症をきっかけに緊急事態宣言が発令されるとテレワークを中心とした勤務体系へシフトしたり、社外の関係会社との会議室での打ち合わせを禁止するなど、オフィスを活用する頻度が著しく低下しました。

オフィスへの出社を減らしテレワークを導入することで、例えば次のようなコストの削減を図ることができます。

オフィスへの出社を減らしテレワークを導入することで、例えば次のようなコストの削減を図ることができます。

  • 社員の交通費
  • 家賃
  • 水道光熱費
  • 受付スタッフの人件費
  • 清掃費

これまでとは違う状況下で、テレワークによって業務を推進できる体制を保ちつつ、オフィスのあり方を見直す企業は増えていると言えるでしょう。

テレワーク導入3つのメリット

それでは、テレワークを導入することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、テレワークを導入する際のメリットとして以下の3点についてご紹介します。

  1. 生産性の向上
  2. 事業の継続性が高まる
  3. 優秀な人材の採用と確保

それでは、それぞれ見ていきましょう。

1. 生産性の向上

テレワーク導入のメリットの1つ目は、生産性の向上です。

テレワークの導入は働き方の改善を促し、生産性の向上へとつながります。

実際に、テレワーク導入による生産性向上のデータも出ています。

総務省が公表した「平成28年通信利用動向調査」によると、テレワークを導入していない企業の労働生産性が1社あたり599万円であるのに対して、テレワークを導入している企業の労働生産性は1社あたり957万円というデータが出ています。

テレワークの導入当初は生産性の低下を感じる方が少なくないようですが、テレワークに合わせて働き方の改善やツールの導入などを進めることにより、結果的に高い生産性を期待することができます。

参考:平成 28 年通信利用動向調査の結果(概要)・ 総務省

2. 事業の継続性が高まる

テレワーク導入のメリットの2つ目は、事業の継続性が高まることです。

テレワークの導入によって、高い事業の継続性(BCP対策)が期待できます。

事業の停止は会社の存亡に関わる大きなリスクとなりますが、テレワークを導入することによってそのような事態を防ぐことができます。

また出社の必要がなくなるテレワークを導入することによって、昨今の新型コロナウイルスだけではなく、地震や台風、豪雪時などの自然災害が発生した際にも営業を停止せずに稼働を続けることができます。

3. 優秀な人材の採用と確保

テレワーク導入のメリットの3つ目は、優秀な人材の採用と確保です。

テレワークを導入していると、優秀な人材を採用できることにもつながります。

また、テレワークの導入は既存の従業員に対してもメリットがあります。テレワークを導入して柔軟な働き方ができるようになると、従業員の離職率の抑制やキャリアの継続性の向上へとつながります。

テレワーク導入の3つのデメリット

テレワークの導入にはさまざまなメリットがある一方、少なからずデメリットも生じます。

テレワークを導入する際には、デメリットと向き合い、柔軟に対応することが必要となります。

昨今の新型コロナウイルスの感染拡大など有事への対応(BCP)がまさに今問われています。そのための対策として、セキュアかつリモートで業務継続ができる環境の整備は大切なポイントです。

具体的にどのようなデメリットがあるのかご紹介します。

1. 導入に対応した環境づくりが必要

テレワーク導入のデメリットの1つ目は、導入に対応した環境づくりが必要だということです。

テレワークを導入するためには、従業員一人ひとりがテレワーク作業に必要な環境を整える必要があります。

この際、会社支給で従業員が作業するためのパソコンを用意することには、一定の導入コストがかかります。社員の人数が多い場合、この導入コストは会社にとって大きな負担になる場合があります。

会社で業務用端末を用意することが難しい場合、従業員個人の端末の活用も検討に上がりますが、セキュリティ対策には十分に考慮する必要があります。

テレワークで新たにツールの導入を行う場合、使い方や運用方法についてあらかじめ社内で共有をする必要があります。

2. 新しい働き方に合わせた人材育成が必要

テレワーク導入のデメリットの2つ目は、新しい働き方に合わせた人材育成が必要だということです。

テレワークを新しく導入することで、これまでのように出社型の働き方ができなくなる可能性があります。そのためテレワークを導入する際には、あらかじめ社内で業務内容や業務の進め方などについて十分に話し合い、スムーズにテレワーク業務を行えるようにしましょう。

またテレワークを行う上で新しくクラウドサービスやツールを使い始めることがあります。このようなツールやシステムの使い方について、社員がスムーズにできるようにあらかじめ講習会や勉強会などを開催しておくと良いでしょう。

またコンプライアンスの面からもテレワークに合わせた業務の進め方について理解を深めておくと良いでしょう。

3. コミュニケーション不足に陥りやすい

テレワーク導入のデメリットの3つ目は、コミュニケーション不足に陥りやすいということです。

テレワークを導入することによって、出社して働く事に比べどうしてもコミュニケーション不足に陥ってしまうという課題があります。

社内でのコミュニケーション不足は、業務に関する認識の齟齬や作業効率の低下が生じる原因となります。

この問題を回避するためにコミュニケーションツールを導入し、積極的にコミュニケーションを行うことや、こまめな進捗報告を行うことが大切になります。

テレワークを導入する上での注意点

テレワークの導入には多くのメリットがありますが、導入する際にはいくつかの注意点があります。

ここではその注意点について具体的に紹介します。

勤怠管理

出社勤務の場合は明確な勤怠管理ができますが、テレワークを導入すると社員の活動を直接見ることができないため、勤怠管理が難しくなります。

テレワークでの勤怠管理を行いたい場合は、勤怠管理ツールを導入すると良いでしょう。近年はテレワークの働き方にあわせてクラウド型の勤怠管理サービスが各社よりリリースされています。

勤怠管理サービスを使うことで、出勤退勤の打刻はもちろん、休暇申請や勤務時間の確認などを簡単に行えるようになります。

紙のタイムカードで打刻している会社やエクセルを使って手入力している会社は、テレワークの導入にあわせてこのような勤怠管理ツールを取り入れることで、より手軽にミスがない勤怠管理ができるようになります。

人事評価

勤怠管理と同様に、テレワークを導入すると勤務態度や仕事ぶりを目視することができないため、人事評価についても難しくなります。

テレワークの導入に備え人事評価の評価項目を定量的にすることや目標管理の仕組みを整えておくことで、非対面であるテレワークでも明瞭な人事評価ができるようになります。

勤怠管理と同様に人事管理のクラウドサービスも、さまざまな製品がリリースされています。このようなサービスを利用することで、人材データや人事評価の一元管理ができるようになるため、テレワークの導入にあわせて利用開始を検討してみると良いでしょう。

セキュリティ対策

テレワークの導入にあたり、セキュリティ対策も考慮すべき課題の一つです。

出社勤務の場合は社内ローカルネットワークで完結できる作業も、テレワークになるとさまざまなデバイスやネットワーク環境からのアクセスを考慮する必要があります。

会社によっては、これまでクラウドサービスの利用を一切許可してこなかったという事例も少なくありません。

このような会社は、テレワークの導入にあわせて社内で大きなルールの変更が必要になることもあるでしょう。

テレワークの導入に伴い境界型セキュリティからゼロトラストセキュリティという考え方に移行することも重要です。

従来の外部ネットワークを遮断するセキュリティ対策から、ネットワーク全体を常時監視するセキュリティ対策に移行するなど、コロナ禍のテレワーク時代にあったセキュリティ対策を自社にあった形で選んで実装する必要があります。

テレワークの導入をはじめるには?手順を紹介

実際に、テレワークの導入を始めるにはどのような手順で準備をすれば良いでしょうか。

総務省の「情報システム担当者のためのテレワーク導入手順書」にならい、8つの手順に分けて、具体的に紹介していきます。

参考:情報システム担当者のためのテレワーク導入手順書・総務省

1. 導入の目的を明確にする

・働き方改革
従業員の意識改革、企業風土の変革、ワーク・ライフ・バランスの実現、長時間労働の削減

・生産性の向上
集中による知的生産性向上迅速な顧客対応、グローバル化への対応

・人材の確保・育成
様々なライフイベントに遭遇する従業員の離職抑制・キャリア継続、従業員の自立・自己管理力の向上、優秀な人材の獲得

・事業継続
新型インフルエンザなどのパンデミックや地震・台風等、災害時の事業継続

・コストダウン
ペーパーレスの推進による紙のコストの削減、フリーアドレス等の施策の併用によるオフィスコストの削減、通勤コスト等の削減

会社としてテレワークの導入の目的を明確にし、それを従業員にきちんと説明・共有することで、スムーズにテレワーク導入を行うことができます。

2.対象となる業務範囲を決定する

テレワークの導入目的を明確にしたら、次は対象となる業務範囲を決定しましょう。

具体的には、対象者、対象業務、実施頻度の3点について決定する必要があります。

まずはテレワークを導入しやすい方、導入しやすい業種を対象に、日常業務に支障の無い頻度で導入を行うとよいでしょう。

テレワークを導入する際には、はじめは無理の無い範囲で徐々に進めていくことがポイントです。まずは試験導入を行い、少しずつ対象範囲を広げていくことをおすすめします。

3.現状の社内業務状況を把握する

テレワークを導入する上で、現状の社内の状況について把握をしておくことが必要となります。具体的には、以下のような項目を確認するとよいでしょう。

  • 就業規則
  • 人事評価制度
  • テレワーク実施者の労働時間制度
  • テレワークの勤怠管理・業務管理の方法
  • テレワーク実施に関する申請・承認方法
  • テレワーク実施に関するセキュリティルール

特に、テレワークの導入によって制度が大きく変わる可能性があるものを抜けもれなく確認しておくことで、テレワーク導入後のトラブルが起こるリスクを軽減することができます。

4.導入計画を決定する

実際にテレワークを導入する前に、導入計画を決定しましょう。導入計画の一例として、次の項目を盛り込むと良いでしょう。

  • プロジェクト計画書の作成
  • 制度とルールの確認
  • テレワーク環境の構築
  • テレワーク実施者及びその上司や同僚への研修
  • セミナーの開催
  • セキュリティガイドラインの作成

5.実施環境を整備する

テレワークを導入するためには、テレワーク業務を円滑に行うためのツールやシステムを導入する必要があります。

テレワークのためのツールの一例として、次のようなものがあります。

  • ビジネスチャット
  • Web会議ツール
  • プロジェクト管理ツール
  • 勤怠管理ツール
  • 労務管理ツール
  • グループウェア
  • セキュリティソフト
  • 契約書のペーパーレス化ツール

自社の状況にあったツールを選定しましょう。

6.研修や説明会を開催する

テレワークを導入するために、事前に従業員にテレワーク導入のための研修や説明会を開催しましょう。

テレワーク導入の研修・説明会には、以下の内容を含めるとよいでしょう。

  • テレワークの目的や必要性の説明
  • Web会議ツール
  • テレワークの体制について共有
  • テレワークに使用するツールの操作方法についての説明

7.テレワークの試行・実施を開始する

テレワークの導入当初はさまざまなトラブルや問題に遭遇する可能性が高いので、テレワークの導入は、徐々に実施を進めていくことがポイントです。

3ヶ月から半年ほどかけて検証を行いながら実施を進めていくことで、スムーズにテレワークを導入することができます。

なお、テレワークの導入は社内業務にある程度の余裕がある時に行うことをおすすめします。忙しい時期に導入を進めるのはリスクが高いので避けましょう。

8.テレワークを推進するための評価や改善を行う

テレワークの試行を一定期間実施したら、その効果について評価、改善を行いましょう。評価方法としては、アンケート調査やヒアリング、グループインタビューなどがあります。

調査については量的調査と質的調査の両面で行うようにしましょう。

・量的調査項目の一例
 量的調査項目の一例としては、次のようなものがあります。

  • 情報処理能力(書類作成件数・データ処理数等)
  • 顧客対応の質(顧客対応回数・リード獲得数等)
  • 長時間労働の有無(所定労働時間数等)
  • オフィス関連費用(オフィス家賃・電気代等)
  • 移動に関するコスト(交通費等)
  • IT関連コスト(端末費用・通信費・クラウドサービス利用料等)
  • 人材確保・人材育成費用(採用者数・離職者数等)

・質的調査項目の一例
 質的調査項目の一例としては、次のようなものがあります。

  • 業務パフォーマンス(顧客満足度・業務評価等)
  • コミュニケーション(同僚との会議の質等)
  • 業務改革(情報共有等)
  • オフィス関連費用(オフィス家賃・電気代等)
  • 生活の質(家庭生活や個人の生活等)
  • 全体評価(働き方や会社に対する総合的な満足度)

まとめ

本記事では、テレワークの導入に関するメリットや目的、また導入までの手順などについてご紹介しました。

これからの時代の企業経営において、テレワークの活用は避けて通れないテーマです。

テレワークを検討するにあたって、自社のテレワーク環境がどういった部分で充実しており、どう言った部分は足りていないのか把握することが必要です。