VDIの構築から運用までの基礎知識と実施手順

仮想デスクトップコラム
  • テレワーク

  • 2021.08.19

VDIの構築から運用までの基礎知識と実施手順
  • VDIの構築がなぜ今、注目されているのか知りたい
  • 企業がVDIを構築するメリットを確認したい
  • VDIを構築するために必要な手順を知りたい

コロナ禍で急激に拡がったテレワークですが、今後もテレワークを継続する意向を持つ企業も多数あります。


テレワークを安全かつ便利に定着させるため、仮想デスクトップの導入企業が増えています。


具体的に導入を検討するにあたって、メリットや手順・費用を知りたいという企業の担当者も多くいるのではないでしょうか。


本記事では、VDIの構築に必要な基礎知識をまとめて紹介します。

VDI構築のために知っておきたい基礎知識

VDI(Virtual Desktop Infrastructure)とは仮想デスクトップのことで、デスクトップ仮想化や、仮想デスクトップインフラとも呼ばれます。

パソコンのデスクトップ環境を仮想化させることで、デスクトップ環境をサーバー上に集約させ稼働させる仕組みを指します。

ユーザーはPCからネットワーク経由で仮想デスクトップに接続し、デスクトップ環境を操作します。

なぜ今、VDIの構築が必要なのか

新型コロナウイルス感染症の影響で、在宅勤務やテレワークの需要が高まっていますが、実施するにあたって、セキュリティリスクの増加などの問題があります。

問題を解決できる手段の1つとして今、VDIの構築がなぜ必要とされているのか、ここではその理由を2つの観点から紹介します。

  • セキュリティの向上
  • 業務管理の効率化

セキュリティの向上

VDIの構築が必要とされている理由の1つ目は、セキュリティの向上です。

コロナ禍により、テレワークが急気に広まる一方、セキュリティに関する管理体制は不十分なことも多く、テレワークを狙ったサイバー攻撃も増えています。

ニューノーマルの時代に突入し、今後もテレワークの拡大が予想されている中で、テレワークのセキュリティ対策としてVDIを進める企業が増えています。

VDIでは、サーバー上に仮想構築されたデスクトップ環境を操作することになります。

ユーザーの端末にはサーバー上で実行されているデスクトップ環境の画面だけが転送されるため、手元のPCにはデータが保存されず、結果として情報漏洩などのセキュリティリスクが軽減されます。

VDI上にあるデータを手元のPCに移動することはできませんので、万が一PCを紛失しても情報漏洩のリスクを低減できます。

また、手元のPCに格納されているデータをVDI上へ転送することもできませんので、攻撃者がウイルスなどを仮想デスクトップへアップロードするリスクも低減できます。

業務管理の効率化

VDIの構築が必要とされている理由の2つ目は、業務管理の効率化です。

VDIの場合、OSやアプリケーションはサーバー上で一元管理されるため、システム管理者は各ローカル端末の管理工数を削減できます。

特に規模の大きな企業でPCの数が多くなるほど、システム管理工数やメンテナンス工数の削減幅は大きくなります。

また、VDIは基本的にネットワーク経由で仮想デスクトップ画面を手元のPCに表示できれば良いため、VDIを利用する端末は高いスペックが必要ありません。

VDIを導入した場合は、通常のPCよりも低スペックで安価なPCを導入できますし、ローカル端末自体に高度な機能を持たせる必要がありません。

VDIを構築する3つのメリット

VDIを構築するメリットは以下の3つです。

  • 運用コストの削減
  • セキュリティの強化
  • 生産性の向上

運用コストの削減

VDIを構築するメリットの1つ目は、運用コストの削減です。

これまではユーザー毎にPC上にOSやアプリケーションを構築し、構築やメンテナンスに多くの工数が必要でした。

企業によっては数百台や数千台、それ以上の端末を個別に管理・メンテナンスする運用コストが発生します。

例えば、OSの構成や設定の変更、アップデート、ウイルス対策ソフトの最新化などが挙げられます。

しかし、VDIではサーバー上にユーザー数に応じた仮想マシンを集約して構築するため、個々に構築・メンテナンスする必要はなく、サーバー上で集中的に構築や管理ができます。

そのためOSやアプリケーションなどの設置、追加、更新などの運用が容易になり、運用コストを削減できるメリットがあります。

セキュリティの強化

VDIを構築するメリットの2つ目は、セキュリティの強化です。

企業では機密性の高いデータを取り扱うことが多く、それらのデータが仮に漏洩してしまうと、企業にとっては多大な損失となります。

VDIであれば、仮想マシンに接続する会社PCや個人PC自体にはデータは残らないため、例えば退職予定者が退職前に機密データを他のPCへ転送するなどの情報漏洩リスクを低減できます。

生産性の向上

VDIを構築するメリットの3つ目は、生産性の向上です。

VDIを構築することで会社PCや個人PCなどを使って、自宅やサテライトオフィスなどから自分のデスクトップ環境を操作できます。

インターネット環境と端末さえあれば、場所にとらわれずにテレワークを実現でき、通勤が不要になるなど生産性を向上させることが可能です。

VDIでは、サーバー上でデータが一元管理されるため、サーバー上の仮想デスクトップ環境に保存されたデータをすぐに別の端末から仮想デスクトップ環境を呼び出すことで業務を再開することができます。

遠隔地からでも端末とネットワークさえあればすぐに業務を再開できるため、社内端末のデスクトップ上にあるファイルにアクセスしたい場合でも、オフィスに出勤する必要がなくなります。

VDIの構築や運用にかかる費用

VDIを構築するにあたり、どのくらいの費用を見積もる必要があるのかについて解説します。

VDIを構築するために必要な費用は大きく分けてハードウェアとソフトウェアにかかる費用の2つです。

ハードウェア面ではVDI環境のためのPCの導入、サーバーやネットワークの整備が必要になります。また、ソフトウェア面ではVDI環境を構築するソフトウェアを導入する必要があります。

それぞれの費用は、設計するインフラのスペックや利用するアカウント数などによって異なりますが、一般的には利用するアカウント数が多いほうが1名あたりの費用は割安になります。

VDI構築のための3つのステップ

ここでは、VDI構築のために必要なステップを3つ紹介します。

  • ステップ1 要件定義・選定
  • ステップ2 構築
  • ステップ3 運用

ステップ1 要件定義・選定

VDI構築のための1つ目のステップは、要件定義・選定です。

自社の仮想デスクトップ導入の目的を明確にし、自社で必要となる機能を整理しましょう。

まずは、セキュリティ強化、テレワークの実施、情報システム部門の運用負荷軽減、BCP対策など、企業としてVDIに求める目的を明確にします。

その上で、全社展開なのか一部部署だけなのかという導入範囲を決めたり、利用開始のスケジュール、予算などを社内関係者で整理したりします。

要件に合ったサービス提供実績があるかどうかなども加味しながら、サービス提供事業者を絞り込みましょう。

サービス提供事業者からのヒアリングを通して、より細かな機能・設定などを整理します。そのために、各種ヒアリングシートを用意しているサービス提供事業者もあります。

ヒアリングを通じて、ネットワーク構成、利用予定者数、同時利用台数(同時接続数)、利用OS種別、インストールアプリケーションなどの要件を明確化していきます。

いかに体系的で抜け漏れのないよう要件定義を行えるか、サービス提供事業者側の経験値が重要な鍵を握ります。

ステップ2 構築

VDI構築のための3つのステップの2つ目は、構築です。

要件が固まったら、サービス提供事業者側での構築作業に入ります。

また、検証にも一定の時間がかかります。ユーザー登録、設定マニュアル作成、インストールアプリケーション動作検証なども行った上で稼働開始となります。

要件定義から稼働開始までには数ヵ月~半年程度かかることをあらかじめ想定しておく必要があります。

ステップ3 運用

VDI構築のための3つ目のステップは、運用です。

運用開始した後で、仮想デスクトップで利用するアプリケーションの追加や仮想デスクトップの利用者数の変更など、要件の追加や変更が生じてくることも考えられます。

また、仮想デスクトップはスモールスタートを採用するケースもありますが、その場合、稼働開始は第1ステップとなります。

例えば、営業部門の一部で利用を開始し、その状況を確認しながら営業部門全体への導入、さらに全社展開する場合も、あらかじめサービス提供事業者に相談しておくことでスムーズな環境準備が容易になります。

仮想デスクトップは、設計・構築・稼働に至るまで一定レベルの技術が求められますが、サービス提供事業者によっては導入のサポートに力を入れています、

まとめ

本記事では、VDI構築の必要性やメリットとあわせて、構築から運用までの基礎知識と実施手順を紹介しました。

コロナ禍で広がったテレワークですが、今後も多様な働き方が求められるため拡大傾向は継続すると考えられます。

よりスムーズなテレワーク運用を考えるにあたり問題が顕在化した場合は、VDIの構築を解決策の1つとして検討すると良いでしょう。

効率的なVDI導入のためには、実績や経験値が豊富なサービス提供事業者を選定することが重要です。